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権利の窓

2022年02月20日 電子提供措置

1.意義

電子提供措置という制度が令和元年改正会社法により制度として登場いたしました。どういう制度かと言いますと、株主総会参考書類、議決権行使書面、計算書類、事業報告等の内容である情報を、電磁的方法により株主が当該情報の提供を受けることができる状態に置く措置をいい、簡単に申しますとウェブサイトに表示する措置といえます。これにより会社としては書面の印刷・郵送等の費用を節減でき、株主としては書面で招集通知を受け取る場合に比べ、早く会社の情報に触れることができるというメリットが生まれます。なお、会社としては当該措置を受ける者を株主に限定するため、パスワードを付けるなどして閲覧者を限定することが可能です。

2.対象となる法人

電子提供措置を利用できる法人は公開会社・非公開会社を問いませんが、会社の定款にその旨記載する必要があり、当該定款の定めは登記事項となります。

ただし、情報が提供されるウェブサイトのアドレスについては登記事項とはなりません。

3.電子提供措置の概要

(1)株主総会の日の3週間前の日又は株主総会招集通知を発し

          た日のいずれか早い日より、 株主総会資料をウェブサイ

          ト にアップロードする。

(2)株主総会の日の2週間前までに、株主総会の日時及び場

         所、株主総会資料をアップロード したウェブサイトのア

         ドレ 等を記載した書面を株主に対して通知する。

(3)株主総会資料を書面で受領することを希望する株主は、

           株主総会の基準日までに、会社に対して予め請求をして

           おくこと。

(4)電子提供措置は、株主総会後3か月を経過する日までの間

          継続すること。

4.経過措置

電子提供措置に係る会社法の施行日は令和元年改正会社法公布の日より3年6か月以内の日とされ、このほど、令和4年9月1日より施行されることが決定されたようです。

そのため、令和4年3月決算の上場企業でありましたら当該定時株主総会において電子提供措置に係る会社法が施行されることを停止条件として、当該定款変更のためのご決議を執っていただくことになるかと考えます。

なお、当該定款規定については登記申請が必要となりますので、9月1日より2週間以内に登記申請を進めることとなります。

また、当該定款規定をまだ設けてない上場会社は当該措置があるものと看做され、みなし定款変更に基づく登記は施行日より6か月以内に行えば足りるとされております。ただし、他の登記をその間にする必要がある場合には、当該登記と同時にしなければなりませんので注意が必要です。