権利の窓
2021年04月22日 事業承継について
東京商工リサーチの記事を読んで、事業承継について少しだけ
お話ししたいと思います。
少し古くなった情報ですが、中小企業庁が2016年度に中小
企業の現状について調査したものによれば、70歳未満の経営
者が約136万人なのに対し、70歳以上の経営者は約245
万人と2倍近く、高齢化が進んでいることが分かっており、
そのうち、実に半数以上の127万人が「後継者が決まってい
ない」と回答されているそうです。
そして、「後継者難」を原因とする倒産が2020年1-9
月においては278件(前年比54.4%増)と、急増した
そうです。
このうち、業歴が30年以上になる企業が135件と約半数
を占めており、内訳をみてみますと、代表者の死亡が119
件、体調不良が96件と続いており高齢化と健康不安が経営
上のリスクとなっているという記事でありました。
弊所でお手伝いした会社様でも役員様がおひとりの、株式を
100%保有するオーナー兼代表取締役がご病気でお亡くな
りになり、急遽相続人株主を取締役に選任し、後任者として
経営にあたっていただいたことがございました。
ただ、オーナーの生前、後継者としての教育を受けた方では
なく、会社の経営の承継については今後の大きな課題として
残りました。
この事例では、相続人間の関係が良好でありましたので、
大変スムーズに移行できましたが、会社の問題と相続の
問題が同時に起こったとなりましたら目も当てられません。
昨今は、経営者の方は大変に元気な方が多数いらっしゃい
ます。80代さらには90代でもお元気に会社に出られて
いらっしゃる方も確かにいらっしゃいます。
ただ、万が一ということを考えますと、事業承継といって
もいろいろとタイプがございますので、少しだけ事業承継
についてもお考えいただいても良いのかもしれません。