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権利の窓

2006年02月14日 民法入門9 「山田先生の事件簿 其の三」

権利の主体(1)自然人 失踪宣告制度 ―民法入門9―
「山田先生の事件簿 其の三」

(前回の続きです)
電車はトンネルの中。彼は最後に何を言いたかったのか?
まあ、もうすぐ目的地。下車したらかけなおすか。
トンネルを抜けるやいなや、軍艦が鳴った。 電車と言ったのに!!

山田 「はい!!!」思わず勢いよく出てしまった。

X 「あっ、間違えました。」

そうこうするうちに駅に着いた。その後携帯も鳴らず、お客様宅へ向かうため、バスに乗り込んだ。
これまた、車内は混雑しており左手に吊革、右手に鞄といった具合だ。
(あれ?傘は?と思われた方いらっしゃいますか? そうなんです。さっきの電車に忘れて来てるんですよ。)
またまた、携帯(軍艦)が鳴った。

山田 「はい。山田」

中畑 「あっ、先生。ぼくですー。さっきの続きなんですがねー。」

山田 「今、バス」

中畑 「ハッ、ハッ(笑い)。ところで、不在者がずっと戻ってこんかったらどうなんの?さっきの売買契約とは関係ないけど参考までに、と思って。」

山田 「なるほど、そういう場合は失踪宣告をすることになるね。」

中畑 「shissou sennkoku? ??」

山田 「そうそう。これは、不在者の生死不明状態が一定期間継続すると、一応その者を死亡したものとして不在者をめぐる法律関係を安定させるためにある制度やねん。」

中畑 「へえー。」

山田 「例えば、不在者の残された財産を管理してきた子供がいつまでたっても相続できないとなると、相続人に酷になったりしますでしょ。だから、法律関係を確定して安定させる必要がでてくるんだわー。」

中畑 「なるほどですねー。それで、それで。」

山田 「ちょっと、思い出すわー。ーーー まず、失踪宣告の要件は主に、(1) 不在者の生死が不明なこと (2) 生死不明の状態が原則7年間継続してること (3) 利害関係人の請求があること さっきの例やと財産を管理してた子になるわな。」

中畑 「なるほどですねー。それで、それで。」

山田 「ちょっと、思い出すわー。ーーーそれで、結果として、原則7年の期間が満了した時に死亡したものとみなされるんや。」

中畑 「なるほどですねー。ということは?」

山田 「ちょっと、思い出すわー。ーーーということは、さっきの例で言うと相続が開始することになるわな。財産があれば、相続人に相続されるってわけやー。」

中畑 「なるほどですねー。よー分かりましたわ。また、何かあったらテルしっまっさあー。」

山田 「はいよー。」

本日の仕事も無事終わり、家路を急いだ。
オリンピック関連のテレビを見るためである。
うん?突如豪雨が降り始めた。その時気づいた。
傘をどっかに忘れてきたことを・・・・
雨の日はホント、うっとうしいですね。

(電車、バス等公共の場での携帯電話には、お互い注意しましょう。)

(作成者 岩間 巨敏)