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2018年07月02日 エルダリープレス 任意後見契約を補充する家族信託

任意後見契約を補充する家族信託

成年後見人には「法定」の後見人と「任意」の後見人がいます。
法定後見人は、既に認知症などで判断能力が衰えている人に家庭裁判所が審判で選びます。任意後見人は、本人が判断力のしっかりしている間に、任意後見人になって欲しい人を選び、公正証書で契約をします。

任意後見人を選ぶタイミングでは、本人の判断能力がしっかりしているので、認知症になる前の財産管理や見守りについても委任できます。また、自分の死亡時の葬儀や墓、施設の片付けなど死後の事務を委任することができます。これらは、任意後見契約を考える際に一緒に考える制度です。

他にも自分が認知症などになった後に、自分の財産に「大きな変更」を加える必要がある人には、家族信託の契約をして財産の管理をしてくれる人(受託者)を決めておく必要があります。信託が必要な具体例は、将来更地に建物を建てる可能性がある人。古い木造賃貸建物や自宅を建て替える必要のある人。会社の経営者で、自社株式の議決権を行使する必要のある会社オーナーなどです。

では、家族信託で受託者を決めておけば、任意後見契約は不要でしょうか。

信託とは、名義まで変更して財産を預けることです。預けた財産についての管理や処分の権限は、受託者にあります。その財産から生じた地代や家賃、そこに住む権利などの利益は、預けた本人に帰属するようにします。このように、信託は財産の管理や運用に向いている制度です。

しかし、日常の入出金や年金の管理、介護や病院の契約、役所の手続きなどは信託では対応できません。あくまで任意後見の身上監護がベースです。自宅の売却など「単純な処分」であれば、任意後見契約で売却の条件を定めておけば十分です。財産の内容によって、任意後見を補充する役目を果たすのが家族信託です。

私どもへ「家族信託を考えている」という相談のうち本当に必要な人は、5人に1人くらいです。