代表者コラム
2011年10月14日 同時死亡の推定
一気に涼しくなりましたね。体調を崩されていないでしょうか。
私どもの事務所は、遺言書の作成のお手伝いをする機会が多いのが一つの特徴です。
その中で、ご自分では気づきにくいポイントをお話ししたいと思います。
たとえば、遺言書を作成して法定相続分と異なる持分で遺産を分配する場合。
具体的にいうと「全財産を長男に相続させる。」という遺言をしたとしましょう。
しかし、もらうはずだった長男が遺言者より先に死亡したらどうなるのでしょうか。
遺言者が死亡した際に長男の子供(孫)は、遺言書により長男が相続するはずだった全財産をそのまま引き継げるのか(代襲して相続できるか)、それともその遺言はなかったものとして法定相続分の割合に戻るのか。
皆さんは、どちらだと思いますか。
最高裁判所では平成23年2月22日に
「相続させる旨の遺言は、相続するはずだった人が、
遺言者より先に死亡していたときは、原則として効力を生じない。」
と判決がでています。
となると、
「遺言者の全財産は長男に相続させる。
ただし長男が遺言者より先に死亡したときは、長男の子(孫)に相続させる。」
と記載しないといけません。
ご自分で自筆証書遺言を作成するときは、必ず相続させようと思っていた人が先に死亡したときのことも考えて書いて下さいね。
不安であれば、私どもの事務所にご相談ください。
なお、結婚していない男女の間に生まれた子供(非嫡出子)の持分は、結婚している夫婦の子供(嫡出子)の半分という民法の規定は、法の下の平等を定めた憲法に違反している。という判決が今年の8月に大阪高等裁判所から出ています。
婚姻外子も相続分は同じだという判決が出ているので、身に覚えのある方は参考にしてください(笑)
勝 司法書士法人
代表社員 勝 猛一