権利の窓
2016年08月31日 10月3日(月)から商業登記実務が変わります。
10月より、登記すべき事項につき株主総会の決議等を要する場合には、
添付書面として商業登記規則第61条で定める主要株主を記載したリスト
(いわゆる「株主リスト」)が必要となります。
実務上留意頂きたい点をまとめました。ご参考になれば幸いです。
1.次に記載する要件に該当する登記申請をする場合、主要株主の
リスト(所謂「株主リスト」)が添付書面となります。
①、株主総会の決議(種類株主総会の決議)を要する登記申請をする場合
②、株主全員の同意(種類株主全員の同意)を要する場合
③、会社法第319条に定める株主総会決議を省略する場合(書面決議の場合)
2.株主リストの記載事項は次のとおりです。
①、主要な株主の氏名又は名称及び住所
②、1記載の株主が有する株式の数及び議決権の数
③、総株主の議決権の数に対するその有する議決権の数の割合
3.株主リストの対象となる株主は次のとおりです。
①、議決権上位10名までの株主
②、議決権を有する株主を「多い順に」順次加算し、その加算した割合
が3分の2に達するまでの人数
※、上記要件に該当する株主が株主総会に出席したかどうかを問
わず、欠席株主も要件を満たせばリストに記載します。
※、登記すべき事項につき、株主全員の同意を要する場合は、各
株主の有する株式の数とその議決権数となります。
4.その他、株主リストに関する留意事項をまとめますと次のとおりです。
①、平成28年10月3日(月)以降は一律に登記申請の際、株主リストを要します。
経過措置は置かないこととされております。
従いまして、施行日前に決議された株主総会に基づき登記申請する場合
も必要となります。
②、一つの登記申請において、株主総会決議を要する登記事項が複数ある場合
には、株主総会ごとに株主リストが必要となります。
しかし、株主リスト中で、各株主総会時の株主の内容が同一であることを
注意書きすることで、1通添付すれば足りるとされます。
③、株主リストに記載すべき株主は、当該株主総会において議決権を行使する
ことができる者をいい、基準日を定めた場合には、基準日における株主を
記載することになります。
④、事業報告、有価証券報告書又は株主名簿とは記載事項を異にするため、
株主リストとしての利用は困難と考えられております
⑤、株式会社のほか、特定目的会社及び投資法人についても社員又は投
資主を記載したリストが必要となります。