権利の窓
2006年03月06日 民法入門10 「法人って何ですか?」
権利の主体(2)法人 意義・本質・種類 ―民法入門10―
「法人って何ですか?」
補助者:「先生おはようございます。実は僕の友人が会社をつくりたいって言ってるのですがそもそも会社って何故つくるのですか?」
先 生:「人間は生まれながらにして契約したり、物の所有を認められていたりしてるけどそのような権利能力を会社に与えるためにつくるんやわ。法が認めた人ということで法人と言うねん。」
補助者:「法人ですか?でも先生、ぼくの友人はひとりで商売してるから権利能力がなんかいらないのではないんですか?」
先 生:「ひとりのうちはいいけどな。もっと大きな組織になると例えば、事務所を借りたり、高額の契約をするのに個人やと信用力にかけたりするやろ。」
補助者:「なるほど。わかりました。世の中にはたくさん会社がありますがどんなものがあるんですか?」
先 生:「いま言ったのは、会社法上の法人で民法上の法人もあるけどな。」
補助者:「民法上の法人ってどんなんですか?」
先 生:「二種類あって社団法人と財団法人があるわ。社団法人の例としては、日本医師会・日本音楽著作権協会・日本自動車連盟(JAF)などがあって、財団法人の例としては日本サッカー協会・日本ユニセフ協会・日本気象協会などがあるけどね。」
補助者:「いろいろあるんですね。会社法の法人とどうちがうのですか?」
先 生:「一番違うところは、民法法人では営利を目的とすることは認められていないねん。」
補助者:「お金儲けしたらあかんのですか?」
先 生:「補助的にするお金儲けはいいねんけどそれを分配したらあかんねん。」
補助者:「では給料なし働いてるんですか?」
先 生:「そういう意味ではなくて例えば、株を買ったら年に二回ぐらい株式配当があるやろ、そういうことは民法法人ではできへんねん。それと公益つまり世の中の為に活動せなあかんねん。」
補助者:「なんとなくイメージつきました。ほかにありますか?」
先 生:「公益も営利も目的としない団体で中間法人っていうのがあるわ。」
補助者:「でも一見すると、どの法人もお金儲けしてるので会社法上の法人という感じがするし、公益といっても世の中に貢献しない法人なんかないような気がしますがそのへんはどうなんですか?先生。」
先 生:「実はその通りやねんな。会社法上の会社の代表例である株式会社も商品やサービスを通じて世の中に貢献してるし、民法法人もある程度お金儲けせな法人を維持出来へんからな。だから一般人から見てもなかなか区別出来んでも仕方がないねん。」
補助者:「先生、大体のイメージでいいのですね。」
先 生:「ただ、司法書士試験では、法人はよく出題されるのでしっかり勉強せなあかんで。大体では合格せんで。ええかな?」
補助者:「了解でございます。」
(作成者 竹内 仁)