権利の窓
2006年01月04日 民法入門6 「がんばれ補助者内藤君 其の四」
権利の主体(1)自然人 被補助人 ―民法入門6―
「がんばれ補助者内藤君 其の四」
内藤君 「あっ先生、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします!」
岩間 「こちらこそよろしく~。ところで、お正月はしっかり勉強できたかな?」
内藤君 「えっ!?あ~もう、バッチリですよ!!今年はドカーンといきますよ~。」
岩間 「ほ~~っ。それは楽しみだねぇ~」(冷笑)
内藤君 (相変わらず不敵な笑顔やなぁ・・・)
岩間 「じゃあ恒例の質問タイム。去年は制限能力 者のうち、未成年者、被後見人、被保佐人について質問したけど、あと一つあったよなぁ?」
内藤君 「はい。被補助人ですね。」
岩間 「簡単に説明してみ」
内藤君 「え~~っと・・・被補助人っていうのは、精神上の障害に因り事理を弁識する能力が不十分な方で、家庭裁判所によって補助開始の審判を受けた人を言います。」
岩間 「なんや民法の条文をちょこっと言い換えただけみたいな答えやなぁ。まあええわ、被後見人や被保佐人の制度と比べたら、精神上の障害が軽度な方を保護するための制度やな。」
内藤君 「ええ。この辺りはお正月にみっちり勉強しましたから、何でも聞いて下さいよ。」
岩間 「じゃあ、被後見人や被保佐人と比べて、家庭裁判所の審判を受ける際に違った点があるのを説明できるかな?」
内藤君 「被後見人や被保佐人との違いですか・・・。」(う~ん・・・何やったっけ?)
岩間 「本人以外から請求で補助開始の審判をするには・・・」
内藤君 「あっ!!本人の同意が必要です。」
岩間 「そう。他には何があったかな?」
内藤君 「まだ、あったっけ?」
岩間 「補助開始の審判は、補助人に同意権または代理権を与える審判と同時にせなあかんけど、何でかな?」
内藤君 「被補助人は、家庭裁判所が審判で定めた特定の法律行為について、補助人の同意を得ずに単独で行ったときは、これを取り消すことができるとされてますから、特定の法律行為以外は被補助人が単独で行っても有効なわけですよね。ということは、補助人に同意権を与えるか、代理権を与えずに補助開始の審判をしても意味がないからだと思います。」
岩間 「そうやな。被補助人の場合は家庭裁判所が定めた特定の法律行為以外は、単独で行っても有効っていうとこがポイントやな。まあ、最近はまじめに勉強してるみたいやな。ところで、関不動産に見積もり送ってくれたんか?」
内藤君 「あっ!!忘れてました…すぐ送ります」
(やば~っ)
岩間 「僕は補助者として内藤君を雇ってるのに、これじゃまるで、被補助者やないか」
内藤君 「………………………」
(作成者 波止 哲)